■Vol.34 「リカイノマツリ ツマノイカリ〜理解の祭 妻の怒り?」

 

  奉納演奏が行われる来宮神社

 

【打撃団ファンクラブ会報にて連載した村山二朗の文より抜粋】 ●弓ヶ浜の湊の祭り●

 さて、前回に続き、伊豆半島の弓ケ浜・湊の祭りについて書きます。全国的に言えますが、太平洋戦争のあ
と、男性の不足と女性の社会進出により、それまで女人禁制だった各地の祭りにも女性が参加できるようにな
りました。今では囃子の中に女性の姿をよく見かけます。しかし、この弓ケ浜の祭りでは現在も男性だけで執
り行なわれています。今時不平等かと言えば、そうでもない。女性は見る側の評価者として大事な役目を果た
しているのです。
11月2日の朝、お宮の境内ではお年寄りから若い娘まで女性が楽しそうに過ごしています。中高生の女子
は「〇〇先輩カッコイイ」とか小声でヒソヒソとボーイフレンドの品定め。母親達はたくましく育った我が子
の成長を見守り、お婆ちゃん達は「あそこん家の孫は誰かに似て太鼓が上手い」とか「まだまだ腰が高い」な
どと個人・個人を分析しつつ、本当に楽しそうなご様子です。
男達は祭りを通して、世代間を超えた連帯、共同作業を学び、集落での立ち位置を自覚する。太鼓の前に一
人で向き合い、大勢の目に晒されることで度胸を試され、あるいはそれにより誇りを得ているのかも知れない。
一方で女達は男達のそういう背中に優しく、厳しい視線を向けている。人望はあるのか、知力はあるのか、体
力はあるのか、いろいろとチェックしています。
ところで、ネイティブアメリカンのある部族の話です。酋長の決め方について聞いたことがあります。酋長
になるのは男だが、幼い子達を広場に集めて遊ばせる。お婆ちゃん達が何日もその姿を眺めて相談の上、次期
酋長になる子を選ぶというのです。選ばれた男の子は酋長になるべく修業を積むらしい。そういう社会のバラ
ンスの取り方もあるのですね。弓ケ浜のお婆ちゃん達の眼差しに接して、この話を思い出しました。

文/村山二朗


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